「Poluca」/プテラノドン
今朝、手をつなぎながら 工場へと歩いていく
男女の姿を見た。顔はよく見なかった。
地下室工房へと向かう二人の足音は、
眠れぬ夜がまだつづいていることを報せた。
しかし、ぼくは眠った。何世紀ものあいだ
孤独な冬だった、ホテルのスウィートルームで。
あるいは テラスに置かれた金魚鉢の中で、
痩せた水草から浮かび上がる小さな泡のなかで。
本日、何度目かのキャンセルキーを打ち込むきみは
(よく働いていることに変わりはないよ)
hizasiga atatakai
と。
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