うちのわんこ(2)/
暗闇れもん
夜なきをしていたうちのわんこ
とうとうお空のわんこになった
朝仕事に行く前に地面に眠る彼を見て
ああ、いってしまったと唐突に思った
鎖につながれたこの古びた家の狭い庭から
足取りも軽く
広いお空で跳ね回っているのよ、きっと
共働きの両親がいる私の家で
何年も
一人ぼっちの寂しさを癒してくれた私のわんこ
お帰りともう迎えてはくれないの
一人でも大丈夫と微笑むような安らかな顔を見せて
もう振り返らずに駆けていく
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