丸の内ジャングル(改)/九谷夏紀
 
いつものように街を歩いていた
まっすぐな道
直角90度に交差する街角
舗装された道路
広い歩道と
きれいに刈られ植えられた樹木
馴染んだ街
丸の内仲通りは
理路整然としているから
ここにいれば迷わないでいられる
私は正しい道を歩いている
常にそう実感できる
つまり不安がないのだ
(不安がないって良いことだっけ?)
(この道を逸れるのは嫌でしょう?)
人々が付け足したり壊したり
人の力が加わるたびに
自分の力として
街はひとりで歩き始めていた
もう人間の手には負えなくなっていた
この街の息遣いは自負心に溢れ少し高慢で
そんな街の迫力が漂い
歩く
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