CHAOS/KADY
 




渾沌とした時間が手足を縛り

記憶はカオスへと堕ちて逝く



暗闇を纏い

夜明けを彷徨う



右太腿の痺れは一昨年の夏の傷跡

折れた奥歯の残骸が「逝かしてくれ」と懇願する





おれは、純白の天使を悪魔の巣窟に招待した



おれは、語るべき言葉を見失っていた





勃起したペニスが街角を徘徊している

ずぶ濡れのヴァギナが淫靡な香りを撒き散らしている





おれは、優しく微笑む天使を硝子ケースに閉じ込めた



おれは、悲しみと孤独を混ぜて夜明けの空に放射した




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