小さな恋の物語/T’s
小さな恋の物語
小指を絡ませて 二人は約束をした
永遠に二人の願いは 色褪せることが無いように
別れ際に微笑を交し 何時もの様に分かれて行く
時の流れは思い出を少しずつ削る
願う力を現実が絡めとめ吸い上げ
やがて二人の願いは少しずつ色褪せ
思い出をしまい込む箱の中に納められた
でも その思いは羽を休めていただけだった
余りに強く思う余り
遠くへ羽叩いたから
ただ それだけだった
交錯する人並みの中で二人は出会う
幼き頃の瞳は多くの靴に踏み躙られ
光ではなく闇を宿しそうになっていた
交錯する視線の中にあの頃の光が
未
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