契/AKiHiCo
 
キミの左手をそっと握れば
伝わってくる微かな体温
すらりと細い指で

握り返して何も言わない
その紅い唇に何も宿っていないの、

そっと取り出したケースから
レースで包まれたプラチナのリング
ゆっくり薬指に嵌めてあげるよ
裏にキミと僕の名前が刻印されていて

今となっては
何の意味を持たない日付も

いつの日か再び二人で笑えたらいいのに
僕の体温は貴方に届いてるの、
だとしたら微かでいいよ

笑って見せて
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