あんなことあったなぁ/山崎 風雅
 
 ままならないのが人生劇場
 その中でいろんなことを学びとる
 自分の足で立ってない頃には
 すべての刺激は自分を責めていたっけ
 
 叔父に殴られ
 母は青ざめ
 父は妾をつくり
 兄弟はばらばらで
 友達は優劣を競ってるだけだったっけ

 いろんな要素はあるだろうけど
 今ここにいることは奇跡以外のなにものでもない
 高校生のころ
 暗黒の時代
 30歳までに俺は死ぬと豪語していたっけ
 それがかっこいいと勘違いしていたっけ

 愛する人を性欲の対象にしか見てなくて
 涙を流す失恋の後に気付いたりしたっけ

 臆病だった
 一人よがりだった
 卑怯
[次のページ]
戻る   Point(9)