窓の遠く・・・/白雨
 
 追憶は、僕を無智にさせた。
 僕はただ、頬杖ついて、
 阿呆のように 遠くを見つめていた。
 むかしのむなしい思い出にしがみつきながら、
 ひとりで部屋にいすわっていた。

 窓のとおく、
 あの場所へ行ってみよ。

 そして、知るだろう。
 追憶は、何も語らない。
 ここだけが、本当のことを語るのだと。 
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