おかもと君の夢/ふぁんバーバー
空をみあげて
流れ星
わたしは目を閉じ待っていた
なにかを待っていた
じっと待っていた
でもおかもと君は
途方もなくくだらない夢を語るばかりだった
おかもと君とは
七年後の同窓会で再会した
わたしの初めての人は
おかもと君とは似ても似つかない人だった
頭がよく現実的で自信たっぷり
でもわたし
おかもと君のほうが好きだったよ
おかもと君は
あのころ語った夢のはじっこのほうにも
立ってはいないみたいだった
うつろではかない声で
なんかのアニメの歌を歌ってた
まわりになじめないようだった
わたしは声をかけられなかった
たぶん二度と会うことはない気がした
だけどわたしは
いまでもときどき
ふたりのりのロケットのうしろで
おかもと君のたよりない背中に
必死でしがみついて
しあわせだなあって
しみじみ目をつむってるわたしの
夢をみる
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