思い出/クローバー
 


明後日の雲を見ながら
今日、雨が降らなければいいね、と
僕らは、手をつないでいたりして
傘を探そうともせずに
願ってばかりいたから
僕ら、から、ら、が逃げ出して
僕は、雨が降ることなんて信じていなかったんだ


蝶番や、合体ロボットの関節や、配線や、の仕組みはよく知っていた
おもちゃ箱の中には、みんなと同じものばかりが入っていた
仕組みを理解したくて分解したわけではないのに。
けれど、みんなと違うものは、何も持ってなかった
それだけが気に食わなくて、僕ら、特別でありたかったから
分解して、新しく組み立てようとして、壊れた


言葉が、書店に転がってい
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