春・夜・雨/do_pi_can
れる
最後の時を
待つ
その間の
悪さに
歯噛みする
ガラスの楼閣に
張り付いた福笑い顔が
崩れ落ちる瞬間の
角砂糖の足掻きに似ていると
スプーンの凸面で逆立ちした
髭の男の傾けるシャンパングラスの
底に揺らめく煩悩が
ひとりごち
ひとり遊びゆえの
ひと時の
火と
緋に
紐つけ
引き絞る
桧の
日
の雨
傘もささず
過ぎ行く
屈託の穴
覗き見るしか
仕様の無い
ビルの谷間の想いを
過ごして
己を
己を
さて
どうしよう
湿ったガラスケースの中の
クリスタルの彩りを
醸す蛍光灯が
誘う
街の夜に
溶け出す想い
とどまらせ
とうに
閉ざした
裏木戸
悲し
と
誘う
あなたの
白き
かいな
致し方なし
春に酔い
寝る
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