棄月雪下/
彌月
月に侵食されて私たち
どこへ向かうというのか
森は遠く雪は深く
車道の雪は歩みを遅め
靴に沁み込む水が
僕を
惨めな気分にさせるんだ
凍りついた雪が
シャリシャリと音をたて
僕の背中の重みだけ
足が食い込んでゆく
ねぇ
少し歩いてくれないかな
そう言ってはみたものの
呼吸を止めた君は
じっと僕にもたれかかり
早く捨ててと
哂うんだ
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