公園まで/藤原有絵
ほとほと不精な私たちは
晴れると食事をするように
公園まで手を繋いで散歩する
生活が溢れている雑貨屋で
私が夢を集めている事は
この間打ち明けたばかりで
それは未来を強要したいのでは
決してなく
泣いた夜に
ウールのスリッパも
ホーローのプレートも
木のカトラリーも
これから買う全てのものは
もう一緒に使うのだから
と
真面目な顔をして言われた事に
唇をかんで睨んだのは
救ってほしいとか
そんなものじゃない事
知っているのかしらと思ったからだ
それでも
本当に泣きたかったのは
いつかは
「二人」になる日々を 生活を
こんなに強く信じていた
馬鹿な私だ
見透かされて
抱きすくめられた
幸福な私だ
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