純粋な文章ほど美味しくない/ぽえむ君
 
水素原子と酸素原子だけが
一定の割合で結びついてできた水は
確かに純粋な水であろう
綺麗な水なのかもしれない

では美味しいのか
答えは否であろう
純粋な水ほど美味しくない

ならば
どんな水が美味しいのだろう
それは天然水

海から昇り
天より山に降りたその水は
一度冷え固まり
一滴一滴の雫となって
山を下る

森の土を風と共にくぐり抜け
その過程で水のまろやかさを
天然の味をブレンドしてゆき
やがて集まり小川となる

一口飲めば
一口に水という言葉ではくくれることのない
何かがわかる

正しい文法と意味だけが
組み合わされてできた文章は
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