お月さまの詩集/秋月 笑
 
1 クリームのランプ

ぼくは知っている
貴女は絵本や歌でいうように
いつも地上を
みまもってなどいない と

ぼくは知っている
その美しいクリームの輝きは
夜な夜な こうべを垂れて歩く詩人の
足もとを照らすための
光などではない と

貴女は
つねに夢見るランプ
気のはやいランプ
あかりのいらない薄暗がりでも
早々と現れ あかりをともす……
貴女は
気まぐれな 夜空のゆめ

(まるでその大空が、
自分だけのための場所であるかのように
ずい と星屑を見まわして)

ほほえみは眩しく
身をかくす雲をも 優しく抱きとめ
[次のページ]
戻る   Point(3)