お月さまの詩集/秋月 笑
1 クリームのランプ
ぼくは知っている
貴女は絵本や歌でいうように
いつも地上を
みまもってなどいない と
ぼくは知っている
その美しいクリームの輝きは
夜な夜な こうべを垂れて歩く詩人の
足もとを照らすための
光などではない と
貴女は
つねに夢見るランプ
気のはやいランプ
あかりのいらない薄暗がりでも
早々と現れ あかりをともす……
貴女は
気まぐれな 夜空のゆめ
(まるでその大空が、
自分だけのための場所であるかのように
ずい と星屑を見まわして)
ほほえみは眩しく
身をかくす雲をも 優しく抱きとめ
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