*昼の月*/
かおる
みちてゆく時にかけていくかたち
目もあわせられない圧倒的光量が
静謐な夜をペリペリと剥がすと
空が蒼く、色づいていく
日常の目紛しさに溺れそうになりながら
ビルの谷間を靴の音を響かせ
息継ぎいらずの背泳ぎで渡る
雲もないあおに、ぽつん
真昼にレース編みの月、ひとつ
透けて見えたのはあたしの、
みちてゆく度にかけていく
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