おたふくソースをいっぱいかけて/umineko
 
母さんの作ってくれた焼そばには
キャベツばかりがあふれていた

いう詩を描こうとして

母が
焼そばを
作ってくれたことなどないと
唐突に気付く

コウちゃんはというと
正確に
お湯を注いでいる途中
焼そばUFOに

世界中の
科学者もかくやと思わせるほど
真剣な面持ちで

おふくろの味
って
どこにあるのだろう

それよりも
ストーブで炙った味付けワカメが
懐かしいのはなぜ

湯きりスポットは
便利なシール式

世界は
いつか駆け足が
当たり前となり

忘れてゆく
思い出す
あるいは
じっと目を閉じる

もう戻れない場所にまで
私たちは
来てしまった
 
 
 


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