投函/tonpekep
ではあったけれど
去っていくタクシーに手を振りながら
ご老公様と叫ぶ
ばらまかれた10円玉の辺りから
たくさんの蕾が一斉に花を開けば
花はとても美しい声でいつまでも
猫ひろしを
歌い続けているのでした
それは何だか無性に人恋しくなってしまいそうなリズムで
行き来る人に
「今からホテルで気持ちいいさようならしませんか」と
口説いてみるのですが
忙しそうに手を振るばかりで
「貴様だってニュータイプだろうに」
とアムロ・レイのような大人げないことを
呟いてしまうのでした
どのみちさようならを
投函などするはずもないことを
百も承知でこんな詩を書いているのです
近くのブックオフで
DVDを買ったら
福引き券を引かせてもらえた
赤色がでたのでちょっとドキドキしたけれど
4等であることを告げられた
ミニサイズのポテトチップスか
バーベQー味か
或いはかっぱえびせんを選択できた
ポテトチップスにした
ありがとうございました
と言われた
戻る 編 削 Point(11)