もう一度だけだべてみたいあのホットケーキー/ジム・プリマス
まあるく広げて
冷蔵庫から真っ白な布巾をかぶせた
白いエナメルびきのボールを
まるで宝物を扱うみたいに大事に取り出して
その中からお玉で薄い橙色のタネを
これまた魔法のようにふわりっとまんまるくフライパンに載せる
するとこれがまた本当に魔法のようにふんわりと広がって
膨らんだホットケーキーのたねは
真っ黒なフライパンにパンパンの大きさになる
それが計ったみたいに正確で
僕はその一連の工程をわくわくしながら眺めている
しばらくするとマスターは
また魔法使いのようにポンとフライパンをはたくと
ホットケーキーは正確な輪郭で白く縁取られ
真ん中だけが薄い狐色に焼けているんだ
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