*ドナとジョーの薔薇の園*/知風
い時代に作られたことが判ったのである。さらにその
大きさはまちまちである、つまり、巨大建造物を解体して
再利用した可能性が高い。ドナとジョーという貴族夫妻の
実在は疑わしいとしても、この神話の下敷となった城が
この地に存在していたとしても不思議はないのである。
もうひとつ興味深いことに、この話にはいくつかの異なる
パターンが存在しているが、そのうちでもっとも古いと
されるパターンには「続き」がある。
それによれば、ジョーリングと交合したメァリメァリは
(このパターンでは名は出ないが)その罪を神に責められ、
森ごと焼き殺されそうになったものの異国へ逃げ延び、
そこでジョーリングの子を産んだのだという。
魂の愛と肉の愛、ふたつの産んだ種は遠く離れた場所で
それぞれの花を咲かせることになったわけである。
( A.エインズリィ "Roses and Women(未訳)")
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