日常の中で/綿花
 
貴方はさも当然であるかの様に
肩を抱き
手を握り
頬を寄せ
耳元で囁き
足を絡ませる

あたしの身体は熱を持ち
溶け出すかの様な錯覚に陥る

反比例するかの如く
あたしの思考は冴え渡り
気持ちは凍りつく

決して唇に触れないことで
擬似恋愛のルールを守りながら
互いの身体を慰める

そうしてあたしは
また
心に風を感じる
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