昼の月/あおば
 

リストラされて居なくなった村人達の
望郷の文字が自然薯を甘くして
粘っこい性格を売り物にして
買い物帰りの衝動的な生き物
普段着お化けが傘を差して森へ向かう
ホー法華経と有り難い経を読む鳥の
可愛らしい囀りを録画する自然の営みが
腹が立つほど悔しくて
佐々木小次郎のような刀を背負い
ツバメ返しのような太刀さばき
大空を一刀両断にする
見てきたような鎌鼬の切断癖を
強制する反面教師の美しい手足を
切断したつもりの気の短い観念
外観
概観
震えるような味覚
鰺の干物を囓る
教養のない猫の
鎌鼬に似た後ろ姿
虹色の眼
燃え尽きた
情熱と
文明国の矜持

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