愛を盾に/きりえしふみ
 

 薔薇の芳香が漂う ロマンチックな飼育小屋
 女を捕らえ食べ尽くすための蜘蛛の巣である

可愛い花壇を持っていた 我ら美々しい地上の女神らは
早い内から 雄々しい腕に摘み取られて
その男らの足元を飾る 一輪の花と化してしまった
幾万の木々に包まれた 我ら秘密は
刈り入れられ 刻まれて
もはや白日の元で
白い胸を晒してさえいたのだ

(c)shifumi_kirye 2007/01/06

戻る   Point(8)