愛を盾に/きりえしふみ
 
男は我ら女を侵略する
二つの山あいを 猛々しい手と舌で闊歩しながら
歯向かうものなら 優しいその抱擁を武器に沈めてしまう
……その腕の海に
我ら女のか細い理性を切り取ってしまう
……細い糸を断ち切るように

甘い囁きを盾に 甘い囁きを武器に
男は我ら女を料理するのだ
夕べ跪いて愛を乞うたばかりの女の足元から
自分好みの型に嵌め込もうと 朝にはもう目論んでいる
甘い囁きも乾かぬ内に

広い外の……真昼の日常だけでは飽き足らずに
我らが愛しい男らは 寝室にまで銃を持ち込む
我ら愛しい男らは 寝台にまで天秤を持ち込むのだ
我らを美味しく頂こうと

 したなら 此処は
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