彼女の聖書/なかがわひろか
 

そして別に聖書をあげてしまってもよかったのです
お金にも男にも権力にも興味はありません
ただあまりにもみんなが欲しがるので
なんとなく誰にも渡さないだけなのでした

しかし
あまりにもしつこい多くの人々の視線に
彼女は終に
面倒くさくなってしまったのでした

彼女は自分が書いた聖書を粉々にして
小麦粉と卵を合わせて
お団子にしました

世界中のお金持ちと権力者を集めて
彼らの前で
彼女は
それを
パクリと頬張りました

軍隊を出してまで止めようとした
どこかの国の大統領もいましたが
彼女はほんの一瞬で
彼女の聖書
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