サトリのことは考えちゃいけない/佐々宝砂
ようにだらしなく座っている私は考えてる、やばい。騙された。あの女は仲間じゃない、このばあさんも仲間じゃない。入れ替わるか。今さらできるか。どうしよう。もうしかたない。殺されよう。あああのカラダ、気に入ってたのだが。XXYで脳味噌空っぽのカラダを探すのは大変なんだぞ。もう。でもしかたない。入れ替わる。私のカラダは死ぬ。だらしなく座ってた華奢な男が不意に立ち上がって、きょろきょろする。みんな忘れな。忘れたほうがいい。忘れちまいな。
新しいカラダをなんとか探し当てて、私は電車に乗ってる。地下鉄じゃなくて、普通の電車だ。静岡駅で降りてデパートの地階食品売り場を歩く。地下は常にやばい場所だ。デパートの
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