この不完全な世界の中で/
ジム・プリマス
夜中にふっと目が覚めた
カーテンの隙間から
下弦の月が顔を覗かせている
凍てついた夜の空気を
肌で感じながら
僕は満たされることのない想いの数々を
胸の片隅からそっと取り出して
闇の中へ投影する
慎重にディフォルメを施してみても
もう輝きを取り戻すことは出来ない
そんなもどかしさに身悶えしながら
やがて訪れる夜明けを待ちわびている
確かなことなど
どこにも見当たらない
この不完全な世界の中で
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