ランプ/
プテラノドン
ことが近づくにつれ剥がされていく、
壁に貼られた写真、枯れ葉。
壁には写真の跡が残り、太い樹の幹には、
男女の名前が彫られている。
今となってはどちらが若いか分らない。
宿り木に身を寄せると同時に、宿り木に
なってしまうから。しかし、悲しみは
ぼくよりも年寄りに違いない、と
ランプシェードに持たれかかる少年は考える。
思い出を篭城させた、ガードレールや橋の欄干。
死んだ月の光は、少年の額を照らす。
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