【窓辺】/穢土
 
窓より漏れる光が影を作っていた
じっと眺めては思案に耽ていた
少年時代より変らない癖は今も続いていて
光と影の織り成す世界は窓の外にも広がっている
遠くに行きたいという願いは変らずに
外界を知り過ぎた歳になってみて
血と汗の美しきを知り
喜怒哀楽の発露が
らしさと潤いを生み出すと気付いた

窓から見える世界では人々が踊り叫び
これからも廻り続ける渦を作っている
其処に飛び込んで死ぬわけじゃなしに
確かなのは窓が閉じられることはないということ
振り返らずに飛び込んでおいでと
誰かが背中を押した

溺れて死ぬわけじゃなしに 
ねえ?
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