*石の教え・神の夢想*/知風
 

14・ゆえに創造は精神の夢想とは明確に異なる権威をもつ。

15・万象は創造なくばひととき形を保つことも難しい。

16・よって全ての精神は創造主の眠りのためにのみ存在する。


中世の思想転換期においてこれら二大宗教が果たした役割は
その宗教的性質よりもむしろ文明発達の端境期の飽和状態が
もたらした沈滞した「虚しさ」から人々を二派に分かつことで
行き場のなさを解消することにあった。
巡査派が圧倒的支持を受けながらも、やがて万象夢想論を
取り込んだ騎馬警官派が革命を主導することとなったのは
この澱のごとき「行き場のなさ」ゆえであった。
しかし、どちらの神が勝とうと、人々からその「虚しさ」を
拭い去ることは出来なかったであろうことは容易に想像が
出来る。

(A・エインズリィ『薔薇と革命の時代』・イディオ書房)


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