サークル/Rin K
涙を混ぜる、という行為には
冬の夜は長すぎる
ひつじが百匹を超えたら ふいに湧き出す
僕って何だろう、みたいな問いかけに、いつも
たまたまこの星に生まれて
たまたまこの国に来て
たまたまこの町で暮らす
たまたまわたしのそばにいる人、と
たまたまを羅列してくれる君
要するには僕は「人」なんだ、けれども
人は僕ではなくて
人がみんな僕なのを、想像すると
なんだか無性におかしくなって 君を
もう一回抱きしめたいと思った
ぐるぐる回るコンパスのような毎日に
延々と唱える円周率のような疑問
分かっているのは、その中心からわずかに
右にずれたところに君がいる、こと
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