夜にかけた梯子/しめじ
動きだした分針が夜を追い出し始める
空が陣痛で真っ赤に染まる
日の光が誕生するのだ
そして無常にも
新しい日を生み出す
あんなにも優しかった夜の青さと絶縁して
新しい年が始まる
胸に空いたトンネル
覗き込んだ先に映る
夕暮れに消えた電車
窓の外には
太平洋から昇る日の光
胸骨を叩いて肉を無理やり伸ばす
空ろな身体に痛覚はない
塞がれた穴の中には
新しい日の光
新しい人になるのだ
新しい夜を手に入れる
新しい人に
新しい夜を生む
太陽になるのだ
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