Sketch of Pain/soft_machine
 

やまいに古びる骨

白壁につるされた花

しずかに風に捕まる虫と虫
泣かない男の孤独な
とり損ねたつり銭
きみの化粧が
静かな病室で

たいようを
ピザのようにならべ
ケーキのようにすくうと
おんなのようにないた
大砲のようにあつい
皮につめこまれた肉と肉と肉
洗いこまれたおむつの
空にはためくぬくみ
見てはならない
しみとしみとしみ

簡潔な日々
それは、いつか
流れ始めるというグラスの
水で水をつつむ
叫びと
叫びと
さけび

からっぽの楽のみに
茶しぶと爪のあとが
きみをさがしてる
そんな気がする
奇術のようにあらわれ
仔牛のようにうられ
秋のようにかれる
たいよう
さよなら
ベッドに落ちる
かしいだ月と月と月
いろあざな布をおり続ける
あたたかい手触りの
娘にそっと、
むくろを被せる
ゆびとゆびとゆび

さよなら

組み合わされたまま硬くなってゆく
にどと解かれないてのひらの音
海のおもさを計りみつめる瞳
かさなって果てぬ波

穴と穴と穴




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