Face 2 Fake/恋月 ぴの
君がいるから僕は存在する
誰もが羨望する
誰もが欲しがる君の姿
ショーウインドの特等席で
いつも輝いている
値札なんて不要だよね
君の価値はお金にはかえられないから
要はハートだってこと
ひとりで食べるラーメンよりも
ふたりカウンターに並び
君の立てる
慎ましやかな音を聴く幸せ
それは
鏡のような存在でもあり
二倍にも三倍にもなって戻ってくるもの
(これで間に合わせようかな
誰かが僕を見て呟く
それは
現実的な選択でもあり
ワンシーズン限りのひと恋しさにも似て
明日になれば顧みることも無く
それでも
ひがんだりはしないよ
君がいなければ
僕は存在し得ないのだし
ひとりよりもふたり
湯気で曇っためがねの奥に
君を見つめる僕がいる
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