■批評祭参加作品■日本の詩における韻律の歴史/岡部淳太郎
みのひとつだったのだろう。
時は流れ、時は二十一世紀の扉を潜った。ここに来て、日本の詩は新たな段階に入りつつあるように思える。歴史がひと回りしたのだろうか。韻律ということに話を絞っても、古典的な七五調を詩行にまぎれこませる者もいれば、自由詩的な内在律のみで書く者もいるし、シェイクスピアばりのソネットを楽しむ者もいる。それらの韻律の混合したタイプの詩もある。まさに何でもありといった感じで、現代的な混迷の度がさらに深まっているとも言えるが、いまここにある詩、いま書ける詩を、それぞれがそれぞれのリズムで生み出している。リズミカルにステップを踏みながら、詩は相変らず詩でありつづけているのだ。
(二〇〇七年一月)
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