結晶核、とらわれて/たりぽん(大理 奔)
 
  とかされる日を待ちこがれることの
   その息苦しさに

季節を待たずとも
荒々しい無尽蔵のやさしさに降りしきれば
とかされながら、それでも
泡を吹きながら防波堤に挑み
無惨でも、美しく
ここにいる、ここにいる
ここにいると

   街角に降り積もり
   覆い隠すかのようで
   ただただ、堆積し
   奪っていくだけの
   見かけだけの美しさに
   誰もが寒い、
   寒いとつぶやいて

思いをとどまらせる温度が
とらわれた核をともなって
降り積もっても
降り積もっても、届くことがない

綺麗
とだけ窓の内で
つぶやくひとの
その胸には



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