*ミリィの風車小屋**/知風
 
**  みすてられしつるばらの軌跡より
    はるかとおき地にさくもうひとつの
    業の花についてのおはなし。




幼い日の楽しみといえば
暖炉脇で聞く祖母の話だった

綿繰りながらもごもごと
歯抜けの口から紡ぎ出る物語

麓の村のお祭りを百個集めたような
幸せな王国の最後や

牧羊犬の眠りを覚ます
狼の遠吠えよりも怖い話


魔法とお菓子と子供さらいが
闇に光に登場する舞台


   山をみっつ越えたところには
   大きなふるい城があって

   狂った城主に地下室に
   閉じ込められたひとり娘

   婆さんにな
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