息のある場所/霜天
 
れない
あの日、確かに息のあった場所で

連続しているのは
白い壁の、階段を
上っていく人たちの、息
それは声を投げるように
それは言葉を繋げるように
いつか気付く心に届くように
吐き出される、息


手に取るのは、触れるのは、そこにあるものだけ
明日でも昨日でも、声の届く範囲の、世界の
気付いていけるのは繋がる線の上の、いつか循環する僕の
確かに存在していたような、息のある場所
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