息のある場所/霜天
 
白い壁の、階段の、連続していく景色
寒い手を賑わせる文字、投げる言葉の
飛び越えた繋がる線の上の、息のある場所
いつか、気付く心が伝えたかったこと


特別な声が流れて
枯れ草が風になびいた
一つずつを手に取り確かめながら
空が虹の作り方を考えていた頃
僕らは確かに一つずつだった

まだ街は季節の変え方を知らないので
通りの花を一つずつ抜きながら歩いた
何もない景色に変わっていく遠くの空では
寒い手を賑わせるための文字も、言葉も
ただ毎日を繋げるためだった夢も、眠りも
灰色の壁や、灰色の空に、耳に届く音も吸い込まれて
ページを捲る必要もなくなっているのかもしれな
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