■批評祭参加作品■ 「 無言の遺書 」 /服部 剛
が読んでいて伝わってきた。
読み終えた私は岡部さんがいる部屋に戻り、今は亡き若き詩人に
ついていろいろと語り合った。そして、岡部さんの文章を読んで感
じたことを語った。壁に掛かった時計を見ると、すでに深夜二時が
過ぎていた。
「 淳太郎さん、過去の出来事やかけがえのない人さえも忘れ
てゆくのが世の定めかもしれないけど、亡くなってしまった
若き詩人について、僕等が今こうして語り合っていることか
ら始めるしかないと思うよ。それにしても、この世にはあま
りにも早く去ってしまう人がいるのは何故だろう・・・そし
てこの世に残されたものの生には一体何
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