二十歳記念日。/狠志
 
成人の日は、楽しかった。

普段逢えない旧友を、懐かしんで。

思い出が、沸き上がって。

何でもないことで、笑って。


楽しかった。

懐かしかった。

自覚はなかった。


大学二年という、中途半端な僕は。

ただ、今しか見てなかった。

あの日の、空の色は覚えてなくて。

記念撮影の写真も、見当たらない。

微妙に似合ってない、スーツを着て。

大人びた僕たちは、子供だった。




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