桜の樹の下/快晴
 
咲き誇る桜の樹の下で
私の意識は虚空を彷徨う
全ての重力と声を無視して
遠く空へとたなびいていく
誰も桜など見ちゃいない

そういえばあの日も
仲間達の中で私は一人きりだった
もう誰の顔も思い出せないけど
今更そんなことはどうでもよかった

上手く笑うことが出来なくて
上手く泣くことが出来なくて
だって誰も教えてくれなかったから
そろそろ戻るべきなのでしょうか
まだ戻る場所はあるのでしょうか

孤独なんて言葉も今では
時代遅れの詩人の言い訳
ただ気取っていただけだろう
拝啓、「私は今も元気です。」

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