岩躑躅 いはつつじ/AB(なかほど)
 
  

水を引き 平城山宵の 月を溶く
谷田平田に 降る人の声

みずをひき
ならやまよいの
つきをとく
たにだひらたに
ふるひとのこえ


石上 其の稲穂に 乗り移る
現の神と 雷神と
稔待つ日々 長閑なればと

いそのかみ
そのいなのほに
のりうつる
うつつのかみと
らいじんと
みのりまつひゞ
のどかなればと


岩躑躅 はやに咲く野の 躑躅にも
ついと光の 浄の瑠璃の音

いはつつじ
はやにさくのの
つつじにも
ついとひかりの
じょうのるりのね


門田に 隈無く渡る 皐月の瀬
栗の気配の 満ちる宵
千切る思いは
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