エントロピーと鳥が鳴く 【都々逸】/ただのみきや
喚き散らすか痴情の縺れ 外でやらかす若さかな
奏でる風のグリッサンドに 音符くるくる降ってくる
風にカサコソ枯草語る 自慢じゃないが子沢山
箱を開ければびっしり絵本 親子見た夢なつかしい
たった一つの足りないものは お金で買える幸せか
詫びる気もなく錆び釘赤く 雨漏り続くわが心
詩は中身より歯ざわり味と 白黒つけぬ山羊の知恵
土偶のような仏頂面を 涙の壺とは誰が知る
冬の晴れ間を鴉が飛んだ 素早い影を踏み損ね
運動会の行進見れば なんば歩きの子が一人
父兄参加の競技へ向かう なんば歩きの父一人
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