妙な味のする指舐め/鴫澤初音
まだふっきれていない電線を、空の下から眺める。
僕等、まだ生きていてつまらないことばかり考える。
例えばいつもなんど かけても留守電にしかならないのは
君が僕を嫌っているのか、それとも君は電話には出ない主義なのか、
そんなことさえ、会ってしまえば口を閉ざして 少しもうまく
君に話せなかった 腹いせに睨みつけたりして 本当に嫌われて
しまったような気がして 君が
僕を好きになることなんてない そう
確信めいた予感を常々 胸に描いていたくせに 駄々をこねる子ども
みたいに 何度も 何度も 君の家へ電話 する 僕は
僕
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