言葉の花束 /
服部 剛
「 愛してる 」
男が100回言ったところで
女のこころはみたされず
男は花屋へ駆けてゆき
3000円の花束を胸に
女のもとへ舞い戻る
花束を手渡す時に
互いの腕から心臓へ流れる
不思議な電流
もらった花の歓びは
3000円ではあらわせぬ
言葉にならぬ印であった
照れてうつむく男の顔を
じっと女はみつめつつ
こころにひとことつぶやいた
「 」
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