桃色蛍光ペン/見崎 光
浮き沈み
笑って泣いて
一人芝居に明け暮れて
忘れてみたり
浸ってみたり
行き交う靴の音に
追いかけっこの背中
諦めかけて
見つめ直して
終わりのない波動
出逢った頃の左腕は
初々しさをちらつかせ
さっき瞳が捕まえた左腕は
存在の大きさを物語っていた
浮かれて落ち込んで
仰いだり俯いたりしながら
結局はまだ、一人芝居
平常心さえ保てずに
1コマを巻き戻す
単純と強がりと下手な嘘
詰め込んでラッピングして
胸の中で弾けて飛んだ
全部を半分に
無くしたピンクの蛍光ペン
代わり黒のボールペン
捜索届け
エリア内
行き先限定
心の電波
浮き沈み
経て、尚も
愛は消えない
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