(無題)/キキ
 
波あとのすなのうえについたあしあとを
くっきりとおぼえている
場面はかわっても流れている音楽はおんなじだった
われわれがみがきあげたタイルのうえを
仔どもらが駆け抜けていって
べたべたするあしゆびの指紋がキラキラよろこびのうた
わたしのため
あなたがくちのはしからこぼしていったあまいものたちのゆくえをしづかに
羽蟻が追っている
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