ただ雨を心に/なごまる
 
どうだっていい 
 そう言った僕を見た君の目を思い出した
 
ちょうど半分だけのお月さまが
 まだ蒼い空に浮かんでいるのを見つけた時に
もう君の名前だって
 忘れかけてるって思ってた
この通りの向こうにある
 あの店のコーヒーの香りのなかで
   僕の心はひびわれてしまったんだっけ
でも僕はかまわずに煙草をくわえて
          歩き続けるしかないんだ
いまだに渇いた心をもてあましてる僕は
     空を見上げてただ雨をのぞむだけさ
もう流れることもない涙のかわりに
           
    (2001・端書ノートより)
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