自尊心の構造/室町 礼
 
人はだれか他人を内心小馬鹿にしたとき、その者にや
さしくなれる。そして人はまた、その小馬鹿にしてい
た相手が意外に利口であったことに気づくと、そのや
さしさのフリをかなぐり捨てて憎悪すら感じるものだ。
という人間観はひねくれているかもしれないけれども、
人の心理として大いに考えられるものだと思う。もち
ろん多くの人はそうではないだろうけど、その事実か
ら目をそむけて一笑に付するのではなく、真面目に向
かい会わなければならないこともあるのじゃないだろ
うか。とくに詩がやりとりされる現場においては、盆
栽や茶碗やお花がやりとりされる現場と違って自尊心
の葛藤が甚だしく感じられるか
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